三叉神経痛・顔面痙攣治療への取り組み

三叉神経痛・顔面痙攣治療への
取り組み

名戸ヶ谷病院 脳神経外科部長 井上靖章 名戸ヶ谷病院 脳神経外科部長 井上靖章

名戸ヶ谷病院 脳神経外科部長 井上靖章

MVD(微小血管減圧術)における
関東の拠点を目指して
−湖東記念病院・井上卓郎医師との連携−

三叉神経痛・顔面痙攣は多くの患者さんが罹っている疾患であり、またその症状は非常に辛いものです。この疾患に悩んでいる関東圏の患者さんのため、私たちの使命である「一人ひとりのことを考えた最適な治療」の提供を行うべく、三叉神経痛・顔面痙攣治療の体制を強化してまいります。

特に三叉神経痛・顔面痙攣の根治治療であるMVD(微小血管減圧術)は、海外からも私たちの治療を求めて患者さんが来日します。その、国際的にも評価されている技術力とチーム力のさらなる強化となり、より多くの地域の患者さんへの最適な治療の安定的な提供を目的としてこの度、三叉神経痛・顔面痙攣治療のスペシャリストである湖東記念病院脳神経外科主任部長の井上卓郎先生をむかえる運びとなりました。

30年以上にわたる治療経験と高い技術を有する井上卓郎先生の治療は、自分自身や自分の家族にも自信を持って勧められる治療のみを提供するというポリシーのもと、日々研鑽を積み手術を行っている私たちが信頼し、お任せしたいと考えるすばらしいものです。互いの手法・技術力を用い、協力し合うことで、この地でさらに優れた治療を提供することができると確信しています。

MVDは開頭範囲を大きくすれば、熟練した技能を持ち合わせていなくとも、概ね良好な治療成績が得られるため、多くの施設で行われています。関東圏の優れた施設と切磋琢磨し、あるいは上回る意気込みで治療を提供していくことで、患者さんの選択肢が増え、納得の行く手術を受けられる可能性が広がると考えています。当院では、綿密な治療計画と低侵襲な手術方法により、より一層安心して治療をうけていただける場所のひとつにしていきたいと考えています。

名戸ヶ谷病院ならではのMVD
(微小血管減圧術)

確実な診断

脳神経外科で治療する病気のほとんどはCTやMRI等の画像検査での診断になりますが、私たちが最も重視しているのは症状の経過や神経学的な診察です。その診察に画像での所見を加えて立体的に評価することで、より確実な診断を行います。
三叉神経痛や顔面痙攣に関しては、一般的なMRI診断では神経と血管の接触の有無の判断しかできません。しかし私たちは3Dの立体画像を用いて、実際の手術で見える神経と血管の位置関係を手術前に把握し、綿密な手術計画を立てます。この手法により、より安全な手術が可能となっています。

自信を持って行う手術

正確なアプローチと、全く出血のないきれいな術野での手術を行っています。術前に3D画像で位置関係を把握しているため無駄な手術操作の必要がなく、2 cm程度のみ開頭する鍵穴手術を行い安全な治療が可能です。

患者さんへの負担軽減

緻密な手術計画により不必要に脳や神経を触るこがとなく、手術時間が短縮します。また、皮膚や筋肉を切開する部位も最小限となります。患者さんへの負担が少なく、手術後の回復もスムーズであり、最短2〜3日での退院が可能となります。

高い根治率

正確な術前診断に基づく無駄のない手術により、典型的な三叉神経痛・片側顔面痙攣ともに100%に近い治癒率を誇っています。三叉神経痛は術後すぐに治癒することが多く、顔面痙攣は術後に一旦症状が消失しても、根治に至るまで数ヶ月〜1年程度要することがあります。

より多くの患者さんへスペシャリストの治療を提供したい

湖東記念病院脳神経外科 主任部長

井上卓郎

三叉神経痛や顔面痙攣は、根治可能な疾患です。私たちは30年以上の経験を積み、高い成功率と合併症を回避するための手法を追求してきました。患者さんが治療を受ける際に不安を感じないよう、常に入念な準備を行ってから手術に臨みます。

MVD(微小血管減圧術)は、緻密な手術手技と特殊な器具の使用に熟練を要する手術であり、簡単に習得できるものではありません。しかし、私たちは持ち前の器用さに加え、日々の努力で高度な技術を身につけてきました。手術には最高水準の技術を駆使して治療に臨みます。

滋賀県の湖東記念病院を拠点に、これまでに1000人以上の患者さんの治療を行い、その手法は国内外で論文に取り上げられています。今後は、千葉県の名戸ヶ谷病院でも関東圏、さらには海外からの患者さんにアクセスしやすい治療を提供できることを誇りに思います。私たちは、患者さんの痛みや痙攣の治療に、手術でお手伝いさせていただきます。

井上卓郎先生の詳しいプロフィールはこちら